建物を取壊したら忘れずに。「建物滅失登記」とは?
こんにちは。
今回は、意外と知られていないけれど重要な手続き「建物滅失登記」についてお話しします。
取り壊しが終わったからといって、それで手続きが終わり、ではないんです。
建物滅失登記とは?
建物滅失登記とは、建物が滅失(物理的に存在しなくなった状態)したことを、法務局に正式に申請し、登記記録から抹消する手続きです。
滅失登記がされていないと、登記記録には「存在しないはずの建物」が記録されたままになってしまいます。
これが後々、土地売買や相続、固定資産税課税などの場面で思わぬ支障をきたすことになるのです。
建物滅失登記が必要な具体的ケース
- 建物の取り壊し(解体工事)を行ったとき
- 火災・地震・台風などの自然災害で建物が消失したとき
建物が無くなる背景には様々な理由がありますが、いずれの場合も、「建物が現存していない」ことを公的に証明するために、滅失登記の申請が必要です。
申請義務と期限
建物の所有者(登記名義人)は、建物が滅失した日から1か月以内に滅失登記を申請する義務があります(不動産登記法第57条)。
義務という点も、知っておきたいポイントです。
申請に必要な主な書類
建物滅失登記の申請には、以下のような資料が必要です。
- 登記申請書
- 原因証明情報(解体業者が発行する取り壊し証明書など)
- 現況写真(取り壊し後の土地の様子がわかるもの)
- 申請人の本人確認書類(個人の場合)
- 委任状(代理人による申請の場合)
ケースによっては、建物図面や公図などの提出も求められます。
特に注意が必要なのは、原因証明情報。
適切な証明ができないと、申請が受理されないリスクがあります。
もし滅失登記をしないと…
滅失登記をしないまま放置すると、例えばこんなトラブルにつながります。
- 土地売却時に、買主に不安を与える
「登記簿に建物が残っている土地は買いたくない」と言われることも。 - 不要な固定資産税を支払い続けるリスク
自治体によっては、登記情報に基づいて課税されるケースがあります。 - 相続手続きで大きな負担に
相続登記の際、数十年前の建物の滅失登記を後から求められ、非常に煩雑な手続きを強いられることがあります。
「後でなんとかしよう」と思っても、取り壊しの証拠が揃わない場合、かえって大変になることが多いのです。
専門家に依頼するメリット
建物滅失登記は、個人でも申請できますが、
- 必要書類の準備
- 法務局とのやり取り
- 場合によっては建物図面の作成
など、専門的な知識が求められる場面が少なくありません。
土地家屋調査士に依頼すれば、正確かつスムーズに手続きが進みます。
また、追加で測量が必要になった場合も一貫して対応できるため、時間と手間を大きく節約できます。
まとめ
建物を取り壊したら「滅失登記」が必要です。
これは単なる事務作業ではなく、土地の価値を守り、将来のトラブルを防ぐための大切な一歩。
「壊して終わり」ではなく、「きちんと登記まで完了させる」。
これが、スマートな不動産管理の基本です。
札幌市や近郊での建物滅失登記についてご不明な点があれば、葛西了土地家屋調査士事務所ぜひお気軽にご相談ください!
車で2時間以内であれば現地調査等行きます。