「家を小さくしただけ」では済まない?建物の一部を取り壊した時に必要な手続きとは

最近、「使っていない2階を取り壊して平屋にした」「一部の部屋を解体してコンパクトにした」という方が増えています。
こうしたリフォーム、実は「減築(げんちく)」と呼ばれる工事の一種です。


減築ってなに?

「減築」とは、建物の一部を壊して、今ある家を小さくする工事のことです。

たとえば…

  • 2階建ての家を平屋にする
  • 増築した部分を取り壊して元の広さに戻す
  • 使っていない部屋を取り壊して建物をコンパクトにする

こういったケースはすべて「減築」にあたります。

使っていないスペースを整理して、暮らしやすくしたり、将来の管理や維持費の負担を減らす目的で選ばれることが多いですね。


減築したら「登記」も忘れずに!

ここで大事なのが、建物の一部を壊したら、法務局にその変更を届け出る必要があるということ。

これは「建物表題部変更登記」という手続きで、
簡単に言うと「建物の大きさや構造が変わったことを、法務局に正しく伝える」ためのものです。


「別に届けなくても問題ないでしょ?」と思っていませんか?

登記は家の“公式な記録”。これが実際の建物とズレていると、次のようなリスクがあります:

  • 売却や相続のときに手続きがスムーズにいかない
  • 金融機関の評価やローン審査で不利になる可能性がある
  • 固定資産税が本来より高く計算されることがある
  • 火災保険などの契約内容に影響が出る場合も

つまり、「実際は小さくなっているのに、登記上は大きいまま」という状態を放置すると、後から困ることになる可能性があるのです。


誰に相談すればいいの?

この建物表題部に関する登記の専門家は「土地家屋調査士」という国家資格者です。
建物の調査や図面作成、法務局への申請などを行い、登記情報を正しく直すお手伝いをします。

工事が終わったあとに「手続きが必要だと知らなかった…」という声も少なくありません。
減築を予定されている方、すでに工事が終わっている方も、ぜひ一度確認してみてください。


増築だけではなく、減築したあとも「記録」も整えておきましょう

家を小さくすることは、暮らしを見直す大きな決断です。
せっかく整えた住まいだからこそ、公的な情報(登記)もきちんとアップデートしておくことが大切です。

「うちは登記が必要?」と気になった方は、札幌市はもちろん、札幌市近郊の不動産表題部の登記に関するご相談、土地・建物の売却の他、売却にかかる土地の測量は葛西了土地家屋調査士事務所にご相談下さい。

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Ryo Kasai