不動産取引でよく聞く「公簿面積」と「実測面積」ってなにが違うの?

不動産の売買を考えたときに、「この土地は100㎡です」と言われても、それが“公簿”なのか“実測”なのかによって意味が変わること、ご存じでしたか?

今回は、土地や建物を購入・売却するときに知っておくべき「公簿面積」と「実測面積」の違いについて、できるだけわかりやすくお伝えします。


公簿面積とは?

公簿面積とは、法務局にある登記記録(不動産登記簿)に記載されている面積のことです。
つまり「登記上の記録に基づいた面積」です。

この情報は、多くの場合、土地の売買契約書や広告、パンフレットなどにも記載されます。

ただし、公簿面積は実際の面積とは異なることがあります。
というのも、その土地が数十年前に測量されたもので、当時の測量技術が現在ほど正確でなかったり、分筆されたその土地が「未測量」の残地として面積が登記されたりしているケースがあるからです。


実測面積とは?

実測面積は、専門家(例えば土地家屋調査士)が実際に測量して出した、正確な面積です。

売買の前に「現地で測ってみましょう」となると、こちらの“実測”に基づいて取引がされることもあります。

境界を確定して、測量図をもとに面積を出すので、より信頼性が高く、登記の内容と異なることもしばしば。


取引における違いは?

土地売買の契約では、どちらの面積を基準に取引するかによって、最終的な価格や手続きが変わることがあります。

たとえば:

  • 公簿売買
    公簿面積を基準に価格を決め、たとえ実際の面積が違っていても、価格は変わらない契約。
  • 実測売買
    測量して正確な面積を出したあと、それに基づいて価格を計算。引き渡し前に面積が確定するので、面積に過不足があれば価格が増減します。

どちらがいいの?

どちらが良いかはケースバイケースですが、以下のような考え方が参考になります。

  • 古い土地や境界が不明瞭な場合は、実測売買のほうが安心。
  • 時間や費用をかけずに早く売買を進めたい場合は、公簿売買で進めることもあります。

ただ、後から「思ったより狭かった」「境界トラブルが起きた」などのリスクを避ける意味でも、実測をおすすめすることが多いです。


まとめ

項目公簿面積実測面積
データの出どころ登記記録現地での測量結果
正確性必ずしも正確ではない場合もありより正確
価格の決め方固定(面積に増減があっても変わらない)実測面積で計算
境界確認行わないこともある基本的に境界確認を行う

「この土地の面積って、本当に合ってるの?」と感じたら、専門家である土地家屋調査士に相談して、実測での確認も視野に入れてみてください。
ちょっとの違いが、将来的なトラブル回避につながるかもしれません。

ご所有または相続された札幌市や札幌市近郊の土地や建物の売却をご検討している、また、売却にあたりどのような登記手続きが必要となるか知りたい、などございましたらぜひ 葛西了土地家屋調査士事務所 にご相談下さい。

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Ryo Kasai