土地家屋調査士と測量士、何が違うの?
~ちょっとややこしい“境界”のお話~
土地や建物に関わる専門職っていろいろありますが、中でもよく混同されがちなのが「土地家屋調査士」と「測量士」。
「どっちも測量してるんでしょ?」と思われがちですが、実は法律上の役割やできることには、ハッキリとした違いがあります。
今回は、そんな“よく似た二人”の違いと、現場でときどき話題になる「業際問題」について、わかりやすくお話しします。
それぞれ何をしているの?
◆ 土地家屋調査士
「法務局に提出するための測量や登記」を専門にしています。
たとえば、
- 土地の境界を確定する
- 建物を新築・増築したときの登記をする
- 土地を分けたり、合体したりしたときに必要な手続き
といったように、“法的に正しい”形で土地や建物の情報をまとめ、登記のプロとして動きます。
つまり、「登記のための測量と書類作成」が主な業務です。
◆ 測量士
一方、測量士は「公共測量」や「土木・建設のための測量」がメイン。
たとえば、
- 道路やダムの位置を正確に測る
- 工事のために土地の高低差や形を調べる
- 国や自治体が地図をつくるための測量
など、**「技術的な測量の専門家」**です。国土交通省の管轄で、国家資格です。
違いをざっくりまとめると…
項目 | 土地家屋調査士 | 測量士 |
---|---|---|
管轄 | 法務省 | 国土交通省 |
主な仕事 | 境界確定・登記用の測量・申請 | 公共測量・工事用測量 |
資格の種類 | 国家資格 | 国家資格 |
活躍の場 | 不動産登記・土地トラブルの現場 | 建設現場・インフラ整備 |
業際問題って?
実は現場では、「この測量、どっちの資格者がやるべき?」というグレーな場面が時々あります。
これがいわゆる**「業際問題(ぎょうさいもんだい)」**です。
たとえば、登記が絡んでいるのに測量士が対応したり、その逆だったり…。
もちろん、悪気があるわけではなく、それだけ業務内容が近いということでもあります。
ただし、登記申請に必要な測量や図面作成は、法律で土地家屋調査士しかできないと決められています。
ですので、もし土地の境界や登記に関わるご相談があるときは、ぜひ土地家屋調査士にご相談ください。
「ちゃんとした登記」と「トラブルのない境界」を守るのが、私たちの仕事です。
最後に
土地と建物は、私たちの生活の基盤。
でもその“境界”や“登記”って、意外と見えにくくて難しいものです。
専門家によって得意分野が違うからこそ、正しい知識で相談相手を選ぶことが大切です。
ご自宅の境界があいまい、登記内容が昔のまま…そんなときは、お気軽にお声がけくださいね。
札幌市およびその近郊(石狩市・江別市・北広島市・恵庭市・千歳市はもちろん、広範囲にて対応しております)の不動産の売却や相続において測量が必要となった場合、必要な表示に関する登記や測量から売却までを一括でご対応することでコストダウンをご提案できる、葛西了土地家屋調査士事務所にぜひご相談ください。
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